「先生は自分の子供も医者にしたいと思いますか?」
何度か聞かれたことある質問です。
なかなか難しい質問です。
気持ち的には、もし子供が医者になれば嬉しいです。
理由は話が合うからです。
ちなみに、自分の父親も医者です。
たまに一緒に飲むと共通の話題が多くて、とても楽しそうです。
さて、自分の小さい頃医者になるように言われたかどうか…、それとなく誘導されていたような気はしますが、露骨に医学部に行けと言われた記憶はないです。
最初の質問の答えは、「子供の性格による。」です。
どんな性格がいいか?
もともとの性格は子供の頃から、あまり変わるものではありません。
これは思い当たる人も多いのではないでしょうか。
子供の言動をよく観察すると向き不向きはなんとなく見えてくると思います。
ちなみに、性格はある程度の範囲内であれば、どんな性格でも、適切な診療科の元ではうまくやっていけると思います。
極端に反社会的な性格や利己主義な人はやめてほしいです。
サイコパスは最悪です、何をするかわからないから、医療職には絶対になるべきではありません。
では、今度は向いている性格を考えてみましょう。
コツコツ粘り強い、同じことを苦痛なく続けられる、ムラがない、ミスが少ないという性格は多くの診療科でうまく適応できるでしょう。
加えて真面目で体力があれば、同僚からも喜ばれると思います。
性格的に向いていないのは?
もし、子供の好奇心が極端に偏っていたり、変わり者で他人とは違う視点を持っていたら、研究職系を勧める方がいいかもしれません。
あと、飽きっぽい人も向いていないかも。
優秀すぎる人は医者以外の道を進んだほうが、世の中うまく生きていけるように思います(例えば起業したほうが早く成功して有名になれるかもしれません)。
理想が高い人や柔軟性の低い人も医者を続けることが苦痛となる可能性があります。
ここはもう少し詳しく説明したいと思います。
例として、内科の診療業務を見てみましょう。
診断して、薬を決め、オーダーして、説明して…。
一見やりがいがあるように見えますが…
これらは、実はあまり自分の好きに決めれるものではありません。
決められたガイドラインに沿って対応する場面が多く、最終決定も最近は患者さんや家族の意思の影響が大きいです(昔は「先生、全部おまかせしますから…」なんていうことが多かったみたいですが、最近は本人家族が決められる方が増えています。)。
他の業種(地域連携、看護師、リハビリチームなどなど)との擦り合わせもあります。
よって、この治療がベストだ、これで治したいと思っても、その通りにいかないことが多いです。
現実とやりたいことが離れてくるとしんどくなってくると思います、ということである程度現実を受け入れる柔らかさがないと続けるのは大変です。
他の要素はどうか?
昨今男女の大学の合格率の違いで騒がれていたことは記憶に新しいです。
心情としては、男女差はないよと言いたいところですが…
現実は、性別の違いがいろいろなところで影響することは間違いないです。
診療科ひとつとっても、男性が好まれる科、女性が好まれる科がそれぞれあることは事実です。
他はどうでしょう?
体力については、少し先ほど言いましたが、筋力も影響あります。
例えば、整形外科は筋力体力がないと、ある人と比べて同じ業務をしても辛さが違ってきます(手術で重たい足を支えたりします)。
子供は能力、性格、環境、もろもろトータルで医者になるメリットが大きかったら勧めます!
Take home message:「子供をよく観察して考えましょう(どっちもありです)。」